スタッフブログ

2018年4月26日 木曜日 スタッフ日記

お宝保険

私どもが生命保険のご相談をお受けして保険証券を拝見させていただくときに「この保険は、お宝保険ですから解約は、できるだけ避けてください」ということがございます。これは、10年以上前の金利の高いときにに加入された解約返戻金のある終身保険などのことを指すことが多いのです。

先日、ある雑誌を読んでいますと「実はお宝保険だった3億円事件の損害保険」という記事が出ておりました。

3億円事件とは1968年(昭和43年)12月10日東京都府中市で起きた3億円強奪事件のことです。

東芝府中工場の従業員に支給される予定のボーナス3億円を積んだ現金輸送車が偽の白バイ隊員に言葉巧みに誘導され輸送車ごと強奪されます。警視庁は懸命に捜査しますが努力もかいもなく1975年(昭和50年)12月10日に公訴時効が成立し事件は未解決のまま迷宮入りとなりました。1968年当時は大学卒業の公務員の給料が27,906円 ラーメン1杯75円 コーヒーが1杯80円 の時代です(当時はコーヒーの方がラーメンより高かったんですね((+_+)) )

さてこの事件で盗まれた現金3億円は、保険から補填されボーナスは従業員に無事支給されています。その保険が損害保険の「運送保険」でした。

運送保険は、日本国内で運送される貨物を対象にし運送中の偶発的な事故で貨物が損害を被った時に支払われる保険です。この事件では、現金は運送保険の「携行品」として扱われました。

保険料は、年間16,187円という金額でした。これで3億円の損害をカバーしたのですからまさに「お宝保険」ですね。

16,187円は3億円の0.0053%の金額です。まぁ現代に比べて凶悪な事件や大きな金額が盗まれることが少ない時代だったのでしょうか?

さらにこの保険、保険会社が海外の保険会社に再保険を掛けていたため引き受けた保険会社も被害は出ていません。

もっとも事件の翌年から再保険の保険料は値上がりしたそうです。 京都南支店 宮本