春一番が吹かなかった今年は、
異常気象になるだろうと言われています。
確かに今日は、
春より先に秋が来そうな一日でしたね。
はやくも4月という事で卒業や入学・入社はもとより、
転勤や人事異動等、
新しい環境に 身を置く方も多いのではないでしょうか?
「初志貫徹」
「初心忘るべからず」
という言葉が最も多く使われる時期でもあると思いますが、
この二つの言葉は似ているようで、
実は全く違う意味だというのはご存じでしょうか?
「初志貫徹」は読んで字の如く、
初めの志を貫きとおすという意味ですね。
では「初心忘るべか らず」は?
この言葉は能楽の大成者、世阿弥の残した「花鏡」にある言葉で、
「初心不可忘」と出てきます。
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/edc9/zeami/gyouseki/kakyou02_1.html
そもそも「初心」とは「初心者」というように、
未熟な、という意味です。
「初心忘るべからず」とは、
経験を経て熟練してきても、
未熟な頃の自分を忘れてはいけないし、
どれほど熟練しても、
未熟な部分が必ずあるという事を忘れてはいけない。
そんなような意味なんです。
私は「初志貫徹」より「初心不可忘」の方が気に入っています。
「初志貫徹」なんて考えてたら、疲れちゃいますよね。
状況が変わり、情報が増えたら「初志」も変わるでしょうし。
「初心不可忘」で今の自分を再認識する方が、
楽しい未来につながる気がするんですが、
皆さんはいかがでしょうか?
素人能楽愛好家 松田 高雅