スタッフブログ

2012年4月3日 火曜日 スタッフ日記

暴風雨の中で「初心」・「初志」をオモフ

春一番が吹かなかった今年は、

異常気象になるだろうと言われています。

確かに今日は、

春より先に秋が来そうな一日でしたね。

 

はやくも4月という事で卒業や入学・入社はもとより、

転勤や人事異動等、

新しい環境に 身を置く方も多いのではないでしょうか?

 

「初志貫徹」

「初心忘るべからず」

という言葉が最も多く使われる時期でもあると思いますが、

この二つの言葉は似ているようで、

実は全く違う意味だというのはご存じでしょうか?

 

「初志貫徹」は読んで字の如く、

初めの志を貫きとおすという意味ですね。

 

では「初心忘るべか らず」は?

 

この言葉は能楽の大成者、世阿弥の残した「花鏡」にある言葉で、

「初心不可忘」と出てきます。

http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/edc9/zeami/gyouseki/kakyou02_1.html

 

そもそも「初心」とは「初心者」というように、

未熟な、という意味です。

「初心忘るべからず」とは、

経験を経て熟練してきても、

未熟な頃の自分を忘れてはいけないし、

どれほど熟練しても、

未熟な部分が必ずあるという事を忘れてはいけない。

そんなような意味なんです。

 

私は「初志貫徹」より「初心不可忘」の方が気に入っています。

「初志貫徹」なんて考えてたら、疲れちゃいますよね。

状況が変わり、情報が増えたら「初志」も変わるでしょうし。

「初心不可忘」で今の自分を再認識する方が、

楽しい未来につながる気がするんですが、

皆さんはいかがでしょうか?

 

素人能楽愛好家  松田 高雅